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令和2年のシステムアーキテクト試験に合格しました。
少しでも誰かの参考になればと勉強方法を残しておきます。


システムアーキテクト試験とは

まずは、簡単にシステムアーキテクト試験についてですが、こちらは情報処理技術者試験の中で高度資格に位置付けられる試験になります。
※情報処理技術者試験とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。(IPAのサイトから引用)

また、システムアーキテクトについては、IPAサイトには以下のように記されています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者(IPAのサイトから引用)

詳しくはIPAのサイトをご覧ください。
IPAのサイト


前提

SEとして、約10年程度の経験を積んでいます。
その10年の中で、上流工程を経験したのは4年程度。

受験した際には、応用情報技術者試験は合格していたが、高度試験は他に合格していたものはなし。
正確にはデータベーススペシャリストは受験したことがあるが、落ちたため高度の合格はなし。
データベーススペシャリストは記述式で論述式ではないため、論文での受験は初。


私の勉強方法

あくまで私の勉強方法なので、みなさんに当てはまるかはわかりませんが、参考になる部分だけ取り入れていただければと思います。


テキストに一通り目を通す

ここは基本中の基本。必要な知識とかを習得していきます。

使用したテキストは以下(年度は違いますがこのシリーズを使用)

IPAの試験を受ける時には、この2種類のテキストは必ず買って目を通すようにしています。


通勤中に午前問題の過去問題をひたすら解く

IPAの過去問は、過去問道場というウェブサイトが便利です。
ただ、システムアーキテクトの過去問道場はなかったので、私はスマートフォンアプリの東京電機大学出版局さんの「問題集シリーズ 情報処理う技術者試験」というアプリを使用しました。
有料ではありますが、公式の過去問では解説がないため勉強効率が落ちるので、ここは多少お金を払ってでも時間短縮したいと私は思っています。
ここにお金を払うのが嫌な方は、IPA公式の過去問をひたすら解いて、ちゃんと理解して答えられた問題以外はグーグル検索などで調べて知識を補完していきましょう。

午前問題に関しては、過去問を完璧にしておけばOKという気持ちで、過去問題は、ほぼ100%正解できる状態にしました。


休日に午前1問題の過去問題を解く

午前問題が隙間時間にできるのに比べて、午後問題はある程度時間を確保してから取り組まないといけません。
午後1については1問45分+解説を読んで理解するのに30分ぐらいで1Hちょっと時間を確保して行う必要があると考えています。
平日仕事終わりに時間を作れればそれでも良いのですが、私はあまり時間が作れなかったり継続できる気がしなかったので休日は1問解くという形で行っています。


受験の2,3週間前ぐらいから過去の自分の経験したプロジェクトの棚卸しを行う

やはり最大の関門は論文かなと思っています。
どういうお題が出ても柔軟に対応できるように今までの経験を棚卸ししておき、お題に対して一番描きやすいプロジェクトを選択できるように準備しておくことが重要です。


何本か過去問に沿って論文を書いてみる

ここでは実際にどういうお題が出てくるかわからないので、論文を完成させることが大事というわけではありません。
ただ、こういうニュアンスのお題の時は、こういう部分には触れておかないといけないとか、システムアーキテクトとしての観点で書かないといけないのでプロジェクトマネジメントの観点で書いてはいけないから、こういう言い回しにしないといけないといったようなことを把握しておく必要があります。
また、必ず最初は立場だったり論述の対象とする案件についての説明をするのでその部分はどんなお題になってもあまり変わらない部分になるので、その部分で悩んで時間を浪費してしまわないように準備しておくと良いでしょう。


およその勉強時間

テキストを読む

テキストはわかっている部分については、あまり熟読せず目を通すぐらいにしてざっと行いました。
正確には分かりませんが、10Hぐらいでしょうか?(問題を解いている部分は除いています)
午前問題を解く部分については、基本的には後述する通勤時間の過去問を解く時に経験しており、復習といった形で解説を読むぐらいの感じでした。
私は、問題を考えている時間よりも解説を読む時間の方が大事だと思ってる派です。


午前問題

午前問題については通勤時間でひたすら解いていたので、勉強時間としてカウントすることは難しいのですが、だいたい2ヶ月ぐらいは解きまくりました。
通勤時間はだいたい1Hぐらいで、その時間ずっと勉強していたわけではありませんが、20日 * 2ヶ月 * 1H弱 = 40H弱ぐらいは午前に当てたのではないかと思われます。


午後1

休日に1時間半ぐらいの時間をとって問題を解いて解説を読むというのを行いました。
1.5H * 3問(1年分) * 3年分 = 約13.5H

ここについては勉強時間が足りていないなと思っており、受験中不安だった箇所です。
本来もっと時間を取って万全に準備して臨みたかったのですが、時間が確保できず3年分の過去問だけなんとか解いてといった感じです。
仕事が忙しかったので(言い訳)


午後2

最後に午後2の準備ですが、実際に論文を完成させるといったところまでできませんでしたが、
自分の経験の棚卸しと、各プロジェクトの書き出し部分の構想を練ったり、書かないといけない観点のポイント、書いてはいけない観点のポイントを押さえることに注力しました。
このあたりは通勤時間中に頭の中で構想を練って、家に帰ってから紙に書き出すといったことをやっていました。
当てた時間は10H未満ぐらいしかできませんでした。


トータル

だいたいですが、80Hぐらいでした。
実務で設計作業をしたことない方は、もっと知識習得に時間を設けた方がいいかと思うので、もう少し多く時間を見積もっておいた方が良いかもしれません。


これから受験する人へアドバイス

午前問題は過去問をひたすらに解く。これ一択だと思います。
高度の資格を受験する人は今までにもIPAの資格勉強をしたことがある人がほとんどだと思うので、この部分はあまりアドバイスできることはありません。

関門になってくるのがやはり論文。
過去の経験の棚卸しをしっかり行い、受験中に柔軟に対応するしか方法はないのかな?と思っています。
結構時間に追われることになることが想定されるので、どういうお題でも変わらない部分については準備をしていき、お題によって考えないといけない部分に時間を費やせるようにしておきましょう。
あとは観点を間違えず、文字数を守れており、一貫性があれば問題ないかと思います。
テキストに注意ポイントが色々書かれておりますが、正直私がそのポイントを守れたとは思っていません。
ただ、一貫性の部分と文字数は最低限できたと思うので、そこを最低ラインとしてとにかく1つ形にする!!といったことが大事なのかな?と思っています。
あまりアドバイスになっておらず申し訳ないです。

あと、試験時間が長く、心が折れそうになることがありますが、
その際には、この試験をもう一度受けたいかどうかを考えてみてください。
私は、二度と同じ試験を受けたくないという思いから最後まで気力を振り絞って頑張ることができました!!!


さいごに

私はおそらく運が良く合格できた部類かと思い、他の人たちはもっと勉強しているんだろうなと感じています。
ただ、ポイントを抑えて要領良く勉強できたからだと前向きに捉えています。

午前問題は、力技みたいな印象で過去問を完璧にしておけば大丈夫です!!
午後1問題は、数問過去問を解いて、どういうところに注意しておけばいいかポイントを抑えておきましょう。
午後2問題は、実際に論文を書いてみるよりも、まずは自分の経験をしっかり棚卸ししましょう。

このあたりは行っておくのが良いでしょう。
薄っぺらい勉強方法ですが、これが誰かの参考になれば幸いです。